既存の顧客に働きかけることを意味する「リテンションマーケティング」

店舗間の競争が激しくなるなかで、売上げアップの決め手になるのではないかと、とても注目されています。これは、簡単にいえば、すでにお客様となっている人に、どうやって顧客であり続けてもらうのかということです。

つまり「新規顧客獲得」よりも「既存顧客の満足度向上」・「囲い込み施策」に注目するお店や企業が増えてきています。

既存顧客を重視するお店が増えている背景として、以下のような問題があります。

  • 価格を訴求した新規集客手法ではリピーターとなりお店に定着してくれる割合が低い
  • 広告媒体への掲載費とクーポン利用による利益圧迫に悩まされる

限られた商圏で商売をしている日本では、人口減少により個人消費が下がっているので、上記のようなやりかたには限界が訪れています。

そんな中、情報過多な現代で自分のお店を見つけ出し、しかも実際に利用してくれているお得意様
何よりも貴重な存在だと考えられるようになってきているのかもしれません。

では、どのようにすればお客様にお店や企業の「ファン」「お得意様」になってもらえるのでしょうか。

顧客を大切にすることが新しい利益を生む!リテンションマーケティングとは


一人のお客様が生涯を通して、自分のお店を利用してくれる回数・金額を上げていくことが安定経営、事業拡大につながるとされ、顧客の来店頻度、客単価を上げる方法が注目されています。

この生涯通算でお客様にどれくらい利用してもらえたかを顧客生涯価値=LTV(LifeTime Value)といいます。

最近このLTVを上げる有効なマーケティング手法として「リテンションマーケティング」という言葉が最近よく使われるようになってきました。

「リテンション」(retention)とは「保持、保留、継続」という意味で、「顧客のリテンション」という場合は、すでに顧客となっている人に継続して来店や商品の購入をしてもらうことを示します。

店や企業の発展のために何かをおこなおうとするとき、ともすれば新しい顧客の獲得に目を向けがちです。しかし、すでにお客となっている人を軽視しては、店舗や企業の発展は難しくなります。

なぜなら、あとに説明するように、顧客にずっと店や企業の「ファン」であり続けてもらうことはとても重要だからです。新しいお客を探すよりも、大きな価値を持つこともあるともいわれるほどです。

リテンションマーケティングとは、顧客を維持するためにおこなう施策全般をいいます。つまり、すでに買い物をしたりサービスを受けたりしたことのある既存の顧客に今後も店を利用する「お得意様」となってもらうために、何を実行すればいいのかということです。

リテンションマーケティングの特徴「既存顧客の分析・分類」

リテンションマーケティングでは具体的にどのような働きかけをするのかというと既存客への戦略的な情報提供です。

「なんだ、それならもうメールマガジンをウチはやってるよ」

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、リテンションマーケティングは従来のメールマガジンやDMを発展させたマーケティング手法なので、あながちその感覚は間違いではありません。

リテンションマーケティングの特徴として既存顧客の分析・分類があります。

  • 顧客の最終購入日(Recency)
  • 購入頻度(Frequency)
  • 購入合計金額(Monetary)

既存顧客と一言に言っても、定期的に来店してくれる安定顧客と一定期間来店がない離反顧客、離反顧客の中でも客単価の高い顧客と低い顧客とさまざまです。

それらの既存顧客に同じ内容のメールマガジンを送ってもなかなか思った効果は出ず効果的な既存顧客のフォローアップが出来ているとは言いがたいです。

リテンションマーケティングでは分析・分類した既存顧客に対しそれぞれの温度感に合った内容の情報を配信します。

客単価が低い既存顧客にはより高品質な商品の魅力を伝え、来店頻度が低い既存顧客にはお店の利用シーン拡大を提案する内容を伝えるなど既存顧客が位置するカテゴリーによって伝えるべき情報も出し分けていくのです。

リテンションマーケティングがもたらす効果とは!「1:5の法則」と「パレートの法則」から考える

リテンションマーケティングの効果①:コストパフォーマンスが良い

マーケティングには「1:5の法則」という有名な法則があります。
「新規の顧客を獲得するのは、既存の顧客を維持することの5倍のコストがかかる」という法則です。

リテンションマーケティングの効果としてまず挙げられるのは、新しいお客に来てもらうための努力や方策に比べてコストパフォーマンスが良い、つまり費用が安くてすむという点です。

確かに、人間は、今まで経験したことのないことを実行するのには、心理的なハードルを感じます。初めての店に足を踏み入れるのは、大なり小なり勇気が必要でしょう。そのため、店や企業は多額の宣伝広告費をかけて、新しいお客になんとか店舗や商品に興味を持ってもらおうとしています。

しかし、一度利用した経験のある店やサービスを再び利用するのにはあまり抵抗がありませんから、これまでのお客に働きかけるようにすると、より安いコストで商品を売上げることが期待できます。

リテンションマーケティングの効果②:優良顧客を育成

第2に、すでに顧客となっている人は自社の商品・サービスになじんでいる人なのですから、より良い顧客(優良顧客)となってくれる可能性が高いという点です。

初めての店舗やサービスに最初から多額の支出をするのには、抵抗を感じる人が多いでしょう。けれども、すでに顧客となっている人は、店舗やサービスへの信頼感を持っているので、多額の支出にも不安を感じないという特徴があります。

よく知られた「パレートの法則」では、「売上の80%を顧客全体の20%が生み出す」とされます。一部の「ファン」が売上げの多くをもたらしているといえるのです。

既存の顧客を大切にすることは、新規の顧客を開拓することよりは、地味に感じられるかもしれません。しかし、それが企業の長期の収益につながるのです。良い顧客は、多額の支出をしてくれるばかりか、友人・知人を新規の顧客として呼び込んでくれることもあります。

もちろん、新規顧客の獲得についても忘れてはいけません。ですが、昔からの顧客向けのキャンペーンなどの販促活動もおろそかにしないようにしましょう。

リテンションのために活用できるツールと機能とは

リテンションのために、活用できるツールについて説明しましょう。以前は「お客様カード」などの紙を利用して顧客情報を管理していた店や企業が多かったでしょう。

しかし、時間の経過とともにカードが失われたり来店しなくなった顧客のカードの処理に困ったりして、使い勝手が悪いことも多々ありました。

その点、デジタルにすると整理が簡単になり、特定の商品を購入したお客の検索も容易になります。また、ネットを通じてお客との相互のやりとりもできるようにもなっています。

MA(マーケティングオートメーション)

「MA」とは、マーケティング活動を自動化するツールのことです。購入履歴や閲覧ページなどの過去の行動や、性別や年齢などの属性から個人を自動的に分類し、メール・広告配信などの方法を選び、その人に向けた最適な発信ができます。「one to oneマーケティング」といわれる手法です。

MAが発達した背景にはそれを実現可能にした技術の進歩があることはいうまでもありませんが、多くの情報を手にした消費者が、多くの商品の中から品質や価格を比較して慎重に購入するようになったことも忘れてはいけません。ですから、脅かすわけではありませんが、積極的に顧客に働きかけないと、他店の情報に魅力を感じてそこで新たに購入してしまうかもしれないのです。現状に甘んじてはいけない状況であることを再確認しておきましょう。

現在、多様なMAのツールが発売されています。どのようなツールを使えば効果的なリテンションができるか判断して導入する必要があるでしょう。

そのためには、ツールの導入以前に、自社が抱える問題は何かを明らかにしておく必要があります。顧客の傾向をつかみ、どういう問題があるのか、把握しておきましょう。そのときは、一部の部署だけでなく、全社的、全組織的に問題を共有しておくことが望まれます。

営業・販売・広報など、広い部署を巻き込んだプロジェクトとすることで、ツールの導入はその費用対効果を最大にできるのです。

アプリ

スマホアプリを利用したツールもあります。ここで、リテンションのためのアプリ利用には、2つの側面があることを確認しておきたいと思います。

お客サイドがインストールする「お店の情報を伝える」アプリ

お客様サイド(利用者)がインストールするお店のアプリで美容室飲食店向けのものには、予約機能が備わっていたり全般的にはポイント機能があるものが多く見受けられます。個人ユーザーの利用状況が顧客管理機能にダイレクトに結びつけられているのが大きな特徴です。来店のタイミングを見計らって、的確なキャンペーン情報を届けることができます。

従来の「GMOおみせアプリ」の基本機能である「プッシュ通知」「ニュース配信」「クーポン」「スタンプ」をより効果的に活用できる「顧客管理機能」と「分析機能」に特化したサービスもあります。

リテンションマーケティングツール「GMOおみせアプリマネジメント」は、アプリユーザーから得られる情報を効率的に管理できる店舗集客ツールです。店舗オペレーションの負担を軽減し、本来注力すべき業務に時間を有効に使えるように「顧客管理」「行動データの高度化」「顧客セグメントの自動化」などの機能が充実しています。

企業サイドがインストールする「顧客管理」のためのアプリ

コンピューターを利用した顧客管理は以前からおこなわれてきました。しかし、近年の傾向としては、スマートフォンやiPadなどのデバイスにインストールして携帯できるアプリが開発され、利用されています。クラウドサービスによって、顧客情報を全社的に共有することも可能です。

社外へ営業をかける必要のある企業では重宝されていますが、顧客情報を持って社外へ出るだけに、セキュリティには気を配っておきたいものです。小売業の店舗などでも、顧客の好みや購入履歴を記入して蓄積しておけば、店員間で情報を共有できますから、接客に生かせます。

店舗や企業では、どのようにリテンションマーケティングを活用しているの?

実際の店舗や企業ではどのようにして活用しているか、具体的に見ていきましょう。

衣料品セレクトショップ活用事例

ある衣料品セレクトショップでは、接客時に会話して得た情報を、リテンションマーケティングのツールに書き込むようにしています。

顧客ひとりひとりに担当者がいますが、担当者が交代するときも情報を引き継ぎます。顧客の職業や過去に購入した商品を知ることで、顧客の必要や好みに合わせたファッションコーディネートを提案することが可能になりました。

ネット通販 活用事例

ネット通販の場合は、リテンションマーケティングの利点はいっそう鮮明です。

購入した商品だけでなく、どの商品をどのくらいの時間をかけて閲覧したか、その中からどのくらいの割合で購入に至ったかということまでわかりますから、購入者が次に買いたいと考えている商品までもある程度把握できます。

ある大手のファッション通販サイトでは、購入者の情報をもとに、すでに購入したアイテムに合う商品の提案や手入れ方法などの情報を、個人に向けてメールで送るなどのキメ細やかな対策をおこなっています。

「だれにでもあてはまるおすすめ商品」よりも「あなたにピッタリの商品」を提示すると消費者の反応はぐっとよくなるのです。

旅館・ホテル業界 活用事例

旅館・ホテル業界でも、リテンションマーケティングは活用されています。

データを記録し共有しておけば、顧客の好みに応じたサービスを提供することが可能だからです。特に、食事を出す日本旅館では、顧客の好みや健康状態に合った食事を提供できることは大きなセールスポイントです。

さらに、何もいわなくても誕生日や記念日などを祝ってもらえると、お客にとっては忘れられない思い出となるでしょう。ホテルでも、準備しておくアメニティグッズなどに顧客の好みを反映することができます。

顧客の情報をもとに最適なサービスを提供するという視点以外に、イベントによってお客様への感謝の気持ちを表わすという方法をとる企業もあります。

ある大手の家具店では、特別な顧客に閉店後の店内を案内してディナーをふるまい、好みの寝具で寝てもらうというイベントを開催しました。これは顧客の満足度を高めるだけでなく、店が顧客を大切にしているという情報発信にもなり、新しい顧客を開拓することにもつながります。

まとめ

顧客を大事に思う気持ちはどの店舗や企業にもあるでしょう。

多くの経営者はリテンションマーケティングの重要性はよくわかっているはずです。しかし、顧客への気持ちを「思い」だけに留めず、何らかの方法で顧客との関係を強化しないと、同業他社と差をつけることは難しくなるかもしれません。

従来の既存顧客向けの集客・販促活動の一環として、もしかすると近いことを実現できている企業もあったかもしれませんが、それが出来るのはPOSレジ情報と既存顧客のデータベースを保有し管理できている一部の大型企業にとどまり、一般的な中小企業にはなかなか手の出しにくいものでした。

マーケティングツールを探していて、あまりコストをかけずにまずは効果を試したい方は、配信料のみで利用できる「GMOおみせアプリマネジメント」の導入をぜひご検討ください。

 

リテンションマーケティングツール「GMOおみせアプリマネジメント」を活用すると、優良顧客、休眠顧客などご利用いただいているお客様の状態を的確に把握したり店舗経営に必要なデータも取得できるので、今まで以上に顧客に合わせたマーケティングが実現可能です。