効果的なポスティングとは?「効果ない」原因を考えてみる

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チラシを使ったポスティングは、自社の商品やサービスを広く知ってもらうための代表的な方法の1つです。

印刷された紙媒体は持ち歩くにもかさばらず、デジタルメディアのように表示するための電源も不要なので、広範囲に配布する広告媒体としては理想的なのです。

ところが、そのコンテンツや配布の仕方によっては、効果が実感しにくいときがあります。

とにかく「大量にばらまけば良い」わけではないのです。この記事では、ポスティングの効果を高める方法を考察していきます。

≪この記事はこんな方にオススメです≫

  • ポスティングを実施してるが効果が出ていなく、改善したいとお考えの方。
  • ポスティングを試してみたいと考えている方。
目次

ポスティングの効果とは?

ポスティングとは

ポスティングとは、 販促用のメディアを指定されたエリアにある住戸のポストに投函するマーケティング手法 のことです。

投函するメディアには、チラシ、ビラ、パンフレットなどと呼ばれる、主に1枚から数枚で構成される紙媒体の印刷物が用いられます。

営利企業などで自社製品の広知性を向上させ、売上向上に結びつける目的のものもあれば、地方自治体などからの公的な情報提供を目的として行われる場合もあります。

ポスティングの方法

ポスティングの方法には、営利企業などの情報提供元の社員が自ら行ったり、アルバイト・パートスタッフを活用したりなど「自社のリソース」で行うケースがあります。また、条件によっては「ポスティング専門業者」に依頼することもあるでしょう。

ここで、ポスティングの効果について考えるために、あるエリアに販促物としてのチラシを10%割引クーポン券を付けて配布した例を取り上げます。

たとえば

社内のリソースを使って、1万枚を各住戸のポストに投函したところ、クーポンを利用した来店客から33枚が回収できました。

この回収数を配布数1万枚で割ると、0.33%という「反応率(回収率)」が算出できます。

新聞折込広告の一般的な反応率は0.3%程度が標準なので0.03%多くなっていますが、この段階ではそれほど有意な差はないかもしれません。

1000人あたりで見ると、約3人の行動を促したことになります。

この例をもとにして、ポスティングの可能性やその効果を向上させる方法について考察してみましょう。

ポスティングの3つの効果

ポスティングには主に3つの効果があるとされています。

ポスティングの効果1

1つ目は、低コストで集客につなげられる可能性があることです。ポスティングは同じエリアに複数回行うほうが効果が高いといわれています。

1回目はすぐにゴミ箱に捨てられてしまうチラシでも、 何度も投函されていると自然と記憶に残る ものです。すると、内容に目を向けてもらえる可能性が高くなってきます。

 

このような効果を得るには、同じエリアに対して何度もポスティングすることになります。

社内でデザインを行い、コピー機で印刷して、社員でポスティングすれば通常の業務の範囲内で済ませられるので、集客のための広告手段としてはコストを最低限で抑えることができます。

ポスティングの効果2

2つ目は「保管率」が高い点です。ポスティングで配布するメディアは紙なので、デジタルメディアと異なり、すぐに消えることはありません。表示する際に液晶モニターがついたパソコンも必要ないのです。

紙であれば、折りたたんで投函すれば良いので、ある程度大きめのビラをポスティングすることもできます。そして、電源や電池がなくても、手に取るだけで情報を得ることができるのです。それほど高くないクオリティーの用紙と印刷インクを使っていても、数年程度は視認性が下がることもありません。

 

たとえば、インターネット上の商用サイトでは、ユーザーが訪問した時点で購入ボタンをクリックしてもらうことが基本です。ある程度時間が経ったあとで、もう一度サイトに戻って来てもらおうとすれば、かなりの工夫が必要になります。

 これに対して、紙に印刷された広告であれば、受け取った人の都合でいつ読むか決められます。 

すぐに読んでもいいし、1週間後でもいいのです。購買行動に慎重な人であれば、ビラやチラシを手元に保管しておいておき、時間的インターバルを置いて検討を繰り返すこともあるでしょう。

 

このとき、例にあげた割引クーポンだけではなく、QRコードなどの掲載による商品のウェブサイトへの誘導などもあれば、より反応率が高まる可能性があります。ポスティングによって配布されたメディアであれば、このようなケースにもしっかり対応できるのです。

ポスティングの効果3

3つ目としては、視認性が高い点が挙げられます。ビラやチラシなどの紙メディアをポストに投函した場合、いったんは必ず取り出されます。その際に、ユーザーの目に触れるのです。ここで興味を引けば、内容を読んでもらえます。

一方で、新聞折込広告の場合は、他のものと一緒に折り込まれてしまうため、販促物が多ければ多いほど自社のビラやチラシへ注意を向けてもらえる確率は下がります。

 

つまり、 ポスティングによるポストへの投函は、その媒体だけに注意を払ってもらえる可能性が高くなる わけです。

上で紹介した事例では、ポスティングの回収率のほうが0.03%高くなっている点にこの差が現れているといえるでしょう。

消費者の購買行動とポスティング

消費者の購買行動を分析する際のマーケティングの基本的な考え方に「AIDMAの法則」があります。ある商品について、その存在を知る段階から購入を決定する段階までのユーザーの心理状態を示した指標です。

AIDMAとは

AIDMAとは、その心理状態の英単語のアルファベットの頭文字を順番に並べた造語です。

ユーザーが新しい商品を見つけたとします。

すると、最初のAttention(注意)の段階では、商品の存在に注意を払います。

次に欲求に合うと感じれば、Interest(関心)を持つのです。

さらに、チラシなどに掲載された詳細な情報を知ることで、購買のDesire(欲求)が高まります。

この段階で購買への心理状態は充足されているのですが、そのまま購買に踏み切るには壁があるのです。

そこで、その商品についてMemory(記憶)してもらい、何度も思い出してもらうプロセスが必要となります。

自分の中で繰り返し思い起こすことで、最終的にその商品の必要性を確認することになり、Action(購入)に至るのです。

このようなAIDMAのプロセスにポスティングを当てはめてみましょう。

Attention…注意

Attention(注意)を引きつける効果は、チラシをポストから取り出す時に発揮されます。

もし、投函された自社のチラシが新聞折込広告などの他のチラシに紛れずに手に取ってもらうことができれば、もっと注意を引くことができるでしょう。

Interest…関心・Desire…欲求

ユーザーのInterest(関心)を引くものになっていれば興味を持ってもらうことができ、購買のDesire(欲求)を刺激することができます。

そのためには、ユーザーにとってキャッチーなグラフィックや文章が必要です。

Memory…記憶

そして、そのビラやチラシを自室に持ち帰り、保管してもらえれば、何度も見ることでMemory(記憶)の中に残っていきます。

Action…購入

これがある程度繰り返されると、ますますDesire(欲求)が高まり、Action(購入)のために販売店舗に赴いたり、電話やメールで問い合わせたりする行動に移るのです。

 

このような一連のプロセスの中で、ポスティングによるチラシの配布でとくに効果的なのは、Memory(記憶)に強く働きかける点です。ユーザー自ら手にとって持ち帰ってもらい、露出の多い場所に掲示してもらえれば、商品情報に何度も触れることになります。

 

また、同じチラシを同じエリアに複数回配布する必要性も、このAIDMAの法則のMemory(記憶)の重要性から導くことができるでしょう。

ポスティングの注意点

このように、ポスティングは非常に効果的な広告手段なのですが、いくつか注意すべき点もあります。

ポスティングの注意点1

まず、配布すべき枚数が増えれば増えるほど、完了までに時間がかかるということです。

新聞折込広告であれば、既存の新聞配達の流通ネットワークを利用できるので、同時に数千万枚単位の配布が可能になります。

一般社団法人日本新聞協会が公表しているデータによれば、2018年現在、日刊紙117紙で朝刊発行部数は約3900万部あります。戸別配達率が95.28%なので、あくまで計算上ですが、新聞折込広告は3700万戸に同時に配布できるポテンシャルを持っているのです。

 

一方で、ポスティングの場合には、専門業者であっても、この規模に匹敵するネットワークはありません。同じ数の配布をこなすには、複数の日数に分割して作業することになります。

ポスティングの注意点2

もうひとつ注意したほうがよいのは、住戸のポストに直接投函するので、住人や管理人からのクレームが発生する可能性です。

「チラシの投函はご遠慮ください」などの掲示があるところに配布しないのはもちろんですが、何も書かれていないところであっても、快く思われないことがあります。

実際、必要性を感じていないチラシがポストに大量に入れられている状態は、誰でも迷惑に感じることでしょう。

とくに注意が必要なのが、集合住宅へのポスティングです。集合住宅の集中ポストは効率よく投函できるため、ポスティングの担当者にとっては都合が良いといえます。

 

ところが、厳密にいえば他人の土地に許可なく立ち入っている状態です。配布担当者には細心の注意を払うように要請する必要があります。

チラシのポスティングが「効果ない」と感じた時に見直しが必要なポイント

ポスティングを実行してみて、予測された反応率を満足しなかったり、ユーザーの購買行動につながらなかったりした場合には、全体のプロセスを再検討する必要があります。

以下に分析のポイントを紹介しますが、一般的には配布するエリアの選択、ビラやチラシの表現やコンテンツが再検討の対象となります。

 

なお、配布方法としてポスティング業者に依頼する場合に、業者の選択が重要に思えるかもしれません。実際は、業者の良し悪しは、他の影響要因に比べると主要なファクターとはいえないのです。

ターゲティング

まず、見直すところは ターゲティングを再検討 することです。

自社が訴求したい商品とその想定するユーザーについて、最適なマッチングを十分に検討し、もっともコストパフォーマンスが高いアプローチを実行する必要があります。

 

ターゲティングの基本は、顧客のイメージを具体的に絞り込むことです。多様な顧客に訴求する総合的内容にするより、ピンポイントで具体的な顧客像を想定するほうが競争力の高い商品やサービスになるといわれています。

配布エリア(リーチ数・率)

マーケティング用語に「リーチ」という概念があります。ユーザーが広告ページを見てくれたかどうかの指標で、リーチ数やリーチ率で広告の効果を表現するのです。

このリーチを高めるには、まず、 配布エリアが商品の需要に適応しているかどうか が問題になります。

 

たとえば、高額の健康食品の販売を目的とするポスティングであれば、健康に気を使う世代が多く居住する地区に配布するのが基本です。

さらに、勤労世帯であれば平均年収が高いことや、富裕層に属する高齢世帯が多いことも、ポスティングの効果を高める要因となるでしょう。

デザイン

 ターゲットとして絞り込んだ顧客像の感性に合わせたチラシのデザインになっているかどうかを再検討 します。

伝えたいことが多いからといって、情報を盛り込みすぎるとかえってうるさくなって、読む意欲を低下させることがあります。

社内でデザインを担当する専門部署がないときには、外部のデザイナーへレイアウトやカラーコーディネーションの外注も検討するとよいでしょう。

 

また、チラシに掲載する商品やサービスのグラフィックイメージについても、プロの力を借りたほうが、長い目で見ればコストパフォーマンスが高くなる可能性があるのです。

掲載内容の見直し

チラシの掲載内容については、次の3つの点をチェックしてみましょう。

最初に見る目に入りやすい「キャッチコピー」と、その後に続くテキストの「文字サイズ」、そしてより詳細な情報を得るための「お問い合わせ」方法のわかりやすさです。

キャッチコピー

キャッチコピーの役割は本文を読んでもらうために、一瞬でユーザーの関心をつかむことです。

ポイントは、ターゲットを絞って、具体性を表現することにあります。たとえば、パーセンテージなどの数字を入れること、その商品やサービスによって「何が」「どのように」便利になるのかを明示するようにします。

同時に、意外性と簡易性も重要です。読む人に「そんなことがあるのか?」や「そんなに簡単にできるのか!」と思わせるのです。常識から外れていたり、難しそうなことが簡単にできることを示せれば、強い訴求力につながります。

コピーライターに依頼せず、自分たちで考える場合には、広告などのキャッチコピーのサンプルを集めて、関心をつかむためのコツを研究しておくと良いでしょう。

文字の大きさ

文字の大きさは非常に重要です。どんなにすばらしい商品やサービスであっても、チラシに書かれている解説をユーザーに読んでもらわなければ、その良さが伝わることはありません。

基本的な注意点は、ターゲットの年齢層に合わせた文字サイズにすることです。

グラフィックデザインの観点からは、文字はなるべく小さいほうが現代的なレイアウトになります。ただし、年齢層が上がるにつれて、文字は大きく読みやすいフォントでないと、快適に読み進むことが困難になるのです。

相談窓口・お問い合わせ先がわかりやすい

チラシに掲載されている商品やサービスについて、詳細を聞きたくなったときの問い合わせ先を明記しておくことは、顧客満足度の向上に役立ちます。

問い合わせの手段は、複数用意すると良いでしょう。最低でも電話とメールは掲載します。可能であれば、ウェブサイトのURLも併記すると親切です。

 

なお、中高年がターゲットであれば、電話番号をメインにして、大きめのフォントを使ったり、強調したレイアウトを工夫するとわかりやすくなります。

ポスティングの方法

ポスティングには、専門業者に頼む方法と自社のリソースを使う方法の2種類があります。

最初は試験的に自分たちでやってみて、効果がなければプロに頼むという流れが多いようです。

業者に依頼

業者選択の際のポイントは、コンテンツごとの最適な配布のタイミングやメディアの効果的なプレゼンテーション方法など、業者にノウハウの蓄積があるかどうかです。

逆にいえば、単に依頼されたチラシを配るだけではなく、広告効果を高めるにはどうすればよいか、きっちり提案してくれる業者を選ばないとプロに依頼する意味はありません。

 

また、配布するエリアの特性をしっかり把握していることや、詳細かつ具体的な状況報告を受けられるかどうかも重要です。

料金が安いからといって安易に依頼してしまうと、逆にコストパフォーマンスが高いものになる可能性があります。

会社の社員やお店のスタッフでセルフポスティング

自社リソースを使うにあたっては、スタッフのモチベーション維持のためのポイントが異なってきます。

社員の場合

社員であれば、モチベーション維持についてはあまり意識することなく、効率よく作業を進められる可能性があります。

一般的に、1人が1時間あたりに投函できるメディアの数は約300枚といわれています。

 

たとえば、単純計算すれば1万枚を配布するのに1人なら約33時間、5人なら約6時間になります。社内の人的リソースとポスティングを完了すべき期限との兼ね合いでスケジュールを考えることになるでしょう。

アルバイト・パートスタッフの場合

自社リソースといっても、アルバイト・パートスタッフに任せる場合は、モチベーションを維持するための工夫が必要になります。

明確なエリア設定と、出来高に応じた報奨金などを提示すると効率が上がるでしょう。

ただし、本来ポストに投函すべきメディアを、それ以外の場所に投棄するケースも残念ながらみられます。指定されたエリアに配布しているかどうか、フォローアップも考えておく必要があります。

具体的には、ピンポイントで配布されているかどうか、抜き打ち検査をする方法などがあります。

 

ポスティング業者に依頼すれば、このようなリスクは低くなると考えて良いでしょう。もちろんコストが掛かりますが、そのぶん作業に対する信頼性は高まります。

作業完了予定日、配布枚数、配布エリアなどを依頼しておけば、期限までに滞りなくポスティングが完了しているはずです。

なお、 配布メディア1枚あたりのコストは、条件が同じであっても、業者によって4〜12円程度 まで幅があります。

ポスティングの集客・反響の効果を測定する方法

テレビやラジオなどのマスメディアで広告を流す場合には、詳細な効果を測定することは困難です。一方で、ポスティングによるチラシの配布は、その反応を計測することができます。

配布したチラシの持参で特典

配布されたチラシの一部または全部を指定の場所に持ち込むと割引が受けられる制度を「クーポン」と呼んでいます。この方法を使うと、配布したチラシの直接的な「反応」を知ることができるのです。

 

一般的に、ある広告によってどれだけのユーザーを集められたかを「集客数」とよび、「リーチ数」に「反応率」を掛けることで算出できます。

集客数 = リーチ数 × 反応率

「反応率」は、この例でいえば、配布したチラシの数に対しての、クーポンを提示してきたユーザーの数です。

この集客数の考え方では、反応率がゼロであれば、リーチ数を増やしても集客にはつながらないことになります。つまり、最初は少ない単位でチラシを配布してみて、まったく反応がなければ、同じチラシを大量にポスティングをしても効果が望めないのです。

その場合には、配布するエリアを変えるか、チラシの内容を見直す必要があります。このように効果を測定することで、ポスティングの効果を高めるような改善が可能になるのです。

ポスティング専用のLP(ランディングページ)

チラシにウェブサイトのURLQRコードを掲載しておき、用意したポスティング専用のランディングページに誘導することで効果を測定する方法があります。

チラシに印刷されたクーポンと比べて、住所や名前やメールアドレスなどの簡単な個人情報を登録したあとでクーポンを発行すると、より詳細なユーザー情報が収集可能です。

専用フリーダイヤル

0120で始まるフリーダイヤルは、ユーザーにとってはもっとも負担のかからない反応計測方法といえます。料金は掛からず、情報入力の手間もありません。フリーダイヤルで対応する場合、自動音声タイプとオペレーターが直接応対するタイプが選べます。

人件費はかかりますが、ポスティングの効果測定にはオペレータータイプのほうがよいでしょう。とくに、ターゲットが高齢者層であれば、ランディングページや自動音声などと比べて、生身の人間が対応するほうが抵抗感が低いからです。

番外編:ポスティング広告と新聞折込広告の違い

ポスティングのメリット①

ポスティングのメリットの1つ目は、指定エリアのすべての住戸に配布ができるということです。

新聞折込広告の場合は、新聞を契約している住戸にしか配布されません。従来は、そのような広告を折り込むことができる、紙に印刷された「新聞」が新聞社の発信する主なメディアの役割を担ってきました。

ところが、その割合が低下してきているのです。

新聞の発行部数と世帯数の推移

一般社団法人日本新聞協会が調査した「新聞の発行部数と世帯数の推移」のデータを見ると、その傾向が明らかです。

一般紙とスポーツ紙をあわせた合計発行部数は、2000年を100とすると、2018年には74.3まで落ち込んでいます。

主な原因は、新聞購読者が紙の新聞ではなくインターネットで配信する「デジタル新聞」を選択するようになったことが考えられます。

たとえば、アメリカのニューヨーク・タイムズ紙については、 デジタル版の販売比率が今後倍増すると予測 しているアナリストもいます。

アメリカでも日本でも紙の新聞の販売数は低下傾向にあるため、新聞折込広告では、ポスティングしたいエリアの住戸をカバーできなくなってきているのです。

これに対して、ポスティングであれば、配布スタッフが指定エリアの全住戸をまわって投函するので、まんべんなくチラシなどを届けることができます。

ポスティングのメリット②

ポスティングのメリットの2つ目は、単独で投函できる点です。

新聞折込広告の場合は、多くのチラシが同時に折り込まれます。読み手の立場になって考えると、新聞と一緒に大量のチラシが届けられたとき、量が多ければ多いほど、それぞれの広告に目を通す時間は少なくなり、注意力は低下します。

これに対して、自社スタッフがポスティングを行う場合、チラシは1種類のみを投函することが一般的です。

ポスティング業者に依頼したとしても、いくつものビラを同時に投函する定期便のような格安のポスティングプランでなければ、そのメディアだけ配布するのが普通です。

こうなると、ポストの中にそのメディアのみ投函されているという状態が想定できます。たとえば、チラシが1枚だけ入っていれば、大量に届けられる折込広告よりも、目を通してもらえる可能性は高くなるのです。

ポスティングのメリット③

ユーザーへの訴求内容の自由度という点は、ポスティングのメリットの3つ目といえるでしょう。

ポスティングに使うメディアは、基本的に広告主の自由な表現が可能です。自分やアルバイト・パートスタッフが配布するので、内容に対しての制限はなく、クオリティーについては自己判断で最適なものにすればよいのです。ポスティング業者に依頼した場合でも、よほど公序良俗に反した内容でない限り、配布を拒否されることはないでしょう。

ところが、新聞折込広告の場合は、詳細な禁止事項があるのです。常識的に問題のあるものは別にしても、たとえば、記載内容についての責任の所在や内容自体が不明確なものは取り扱ってもらえません。これは、新聞折込広告の信用度が新聞社とその記事への購読者の信用に支えられているからです。配達される新聞とは関係のないチラシであっても、新聞への信用を維持するためには、それなりの品格が求められるといえます。

ポスティングのデメリット①

ポスティングのデメリットの1つ目は、新聞折込広告と比べると料金が高くなる可能性がある点です。

料金に関しての一般的な傾向として、ポスティングは住宅密集地の場合は配布スタッフが効率よく回れるため料金が割安になる反面、過疎地では割高になります。

この点、新聞折込広告では地域差がそれほどありません。

 

たとえば、東京にあるJR山手線目黒駅周辺で両者を比較してみましょう。

新聞折込広告・ポスティング 比較条件
予算3万5000円 / B5サイズ

片面モノクロ印刷 新聞折込広告→半径1kmにある3紙を購読する約8000戸の購読者に折り込み

ポスティング→約5000部の配布

この例では、新聞折込では1枚あたり4.3円のところ、ポスティングでは6.4円になります。

 

このような試算を東京都西部にある東村山市で比較すると、

新聞折込広告→1枚あたり4.6円

ポスティング→7.7円

 

23区内という東京の中心部にある目黒と郊外にあたる東村山市では、住宅の密度が異なるため、ポスティングでは単価が上がると考えられます。

ポスティングのデメリット②

ポスティングの2つ目のデメリットは、広告を訴求するターゲットが予測しにくい点です。

配布エリアが決まっていたとしても、一般的には住戸ごとの傾向は把握できません。すべての住戸のポストに投函したとしても、どのような考え方や嗜好をもつ人たちに訴求したのか不明なのです。

これに対して、新聞折込広告の場合は新聞銘柄を指定できるため、購読者像をある程度予測することでターゲットを絞り込めます。

新聞は、その銘柄で購読者像の大まかな傾向が把握できるといわれています。同じテーマの記事であっても、政治的な意見や、社会的な問題に対しての立場は、新聞社によって異なるのです。そして、購読者はその影響を受けるからです。

これは、広告訴求ターゲットを絞り込むときの重要な要素になります。自社の商品をどのような考え方や社会的立場のユーザーに訴求したいのか明確であれば、新聞折込広告のほうが効果が高い可能性があるのです。

まとめ

ポスティングは手軽に試すことができるマーケティング手法ですが、十分な効果を引き出すには押さえておくべきポイントがあります。専門業者に頼む場合も、マーケティングの基本を押さえておくことで、コストパフォーマンスの高い広告手法となるのです。

一方で、チラシを配布する手法には新聞折込広告もあります。ターゲットや目的に合わせて、それぞれの長所を生かしたマーケティング・ミックスを考えることで、効果的な広告戦略を構築することができるのです。

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