居酒屋リピーターを増やす為の3つのスタッフ教育法

居酒屋にとってどれだけリピーター(固定客)を増やせるかということは、日々の売り上げに直結する重要課題です。
私も最近大手居酒屋チェーン店に行ったのですが、帰る前に『次回20%OFF券』をもらったり、次の月の季節限定メニューのチラシをもらったり、最後に飴までいただいて帰ってきました。今、こうした施策を行う居酒屋は少なくありません。
なぜお客様にそこまでの還元をするのか…?
その理由のひとつは、『リピーターを増やす』ためです!
ただ、居酒屋オーナーの方々の中には、「売り上げのことを考えると毎回20%OFFは無理だよ」とか「うちも季節によってメニュー変えているけどあまり効果が出なかったな」という方もいると思います。
そこで、今回は別の角度から『どうすれば居酒屋リピーターを増やすことができるのか』をテーマにしたいと思います。
注目したのは…ズバリ『スタッフ教育』です!!
【参考・参照】
もう集客に悩まない!飲食店のリピート率を上げる販促アイデア・ツールを徹底紹介
なぜ『居酒屋リピーターを増やす』為にスタッフ教育が重要なのか?
なぜリピーターを増やす為にスタッフ教育が重要なのかというと、理由は『居酒屋』という特性にあります。
例えば、同じ飲食店であっても、高級レストランであれば味が重要視されますが、居酒屋の場合だと、味はもちろんですが、『楽しく飲めるかどうか』という部分が重要視されます。
また、高級レストランのスタッフに求められるのは、マニュアルに沿うようなきちんとした応対ですが、居酒屋のスタッフに求められるのは、時にマニュアルに沿った応対というよりも親しみやすさであったりします。
例えば、料理がなかなか出てこなかった時、高級レストランのスタッフは「大変申し訳ございません。只今調理しておりますので…」という正式なお詫びをすることを求められます。
一方、居酒屋の場合だと、そのように丁重に謝罪して場の雰囲気を暗くするより、「すみません~、今作っているのでもうちょっと待ってください~」とスタッフが明るく対応した方がいい場合もあります。(もちろん状況によりけりですが…)
だからこそ、居酒屋にとって『どんなスタッフがいるか』ということがリピーターを増やせるかどうかの『鍵』になってくるのです。
【参考・参照】
【資料DL】飲食業界の経営課題である集客・人材採用問題をアプリで解決!
『居酒屋リピーターを増やす』ことのできるスタッフ
みなさんはどんなスタッフが『リピーターを増やすスタッフ』だと思いますか?
私は、『愛想のいいスタッフ』や『臨機応変に対応できるスタッフ』ではないかと思います。
やはり、スタッフの方とちょっとした世間話をするだけでもそのお店に親近感がわきますし、料理をシェアして食べたい時に「小皿持ってきますね」とかメニューをなかなか決められなくて悩んでいる時に、「これオススメですよ」という一言を添えてくれるスタッフの方が居るとお店に好感を持ちます。
そんなスタッフが一人居るかどうかでも、リピーターの数は大きく変わります。
「ではさっそく『リピータを増やせるスタッフ』の育成にかかりましょう」と言いたいところですが、正直に言うと、これは一筋縄にはいきません。
なぜなら、先に例に出したクレーム対応方法についてもですが、『リピーターを増やせるスタッフ=マニュアル通りに対応できるスタッフ』ではないからです。
スタッフをマニュアルに沿わせることももちろん大変なのですが、マニュアルにない応対を教えることは、より苦労を伴うことが多いです。
例えば、「大きな声であいさつしよう」と言ったら、ある程度スタッフに浸透するかもしれませんが、「愛想良くしよう」と言っても、自然にできるスタッフとできないスタッフがでてくると思います…。
だからと言って、あきらめるわけにはいきません!
『居酒屋リピーターを増やす為にはリピーターを増やせるスタッフ』が欠かせないからです!
そこで、どんなに教育下手なオーナーでも、リピーターを増やせるスタッフにする秘策を3つご紹介したいと思います。
居酒屋リピーターを増やす秘策① 名札を作る
「へ?名札ですか?」と拍子抜けした方も多いかもしれません。
なぜなら、多くのオーナーさんが『スタッフ教育=自分若しくは先輩スタッフが直接教育すること』だと思っているからです。
ただ、『お客さんに育ててもらう』というのもスタッフ教育のひとつ手段です。
例えば、引っ込み思案な子に「お客さんともっと喋って」と注意したとします。おそらくその子は、「何を喋ったらいいんだろう…」と困惑することになります。
思わず「何でもいいんだよ」「それくらい自分で考えて」と言ってしまう前に、下のような名札を作ってあげてください。
こんな名札をしていたら、ほろ酔いのお客さんなら特に、「名前何て読むの?」「福岡出身なんだ~」「本が好きなの?」とつっこんでくれるはずです。
どんなに引っ込み思案なスタッフでも人見知りのスタッフでも、『質問には答えられる』ものです。
そして、上手くいけば、質問に答えているうちにいつの間にかお客さんと自然と話せるようになっていくと思います。
仮にそれでも喋れなかったとしても、お客さんの立場からしたら『スタッフの名前を知っている』というだけでも、お店への愛着がわき、再来店しやすくなるものです。
お客さんの力も借りて、『リピーターを増やせるスタッフ』を育成し、その結果としてリピーターを量産していきましょう
居酒屋リピーターを増やす秘策② スタッフにレッテルを貼る
リピーターを増やせるスタッフを育成する為の秘策の2つめは、『スタッフ(従業員)にレッテルを貼る』というものです。
『レッテル』というと、ついつい悪いもののように聞こえる方もいるかもしれません。実際、私たちがレッテルという言葉を使う時は、マイナスなイメージの場合が多いです。
例えば、「会社で役立たずというレッテルを貼られて…」など、あまりよくない印象の時に使うことが多いのではないでしょうか。
しかし、ここでいう『レッテル』は『プラスの意味でのレッテル』です。『プラスの意味でのレッテル』の中に、心理学の分野で言われている、『レッテル効果』というものがあります。
簡単に言うと、『レッテル』を貼られると、無意識にその『レッテル』に沿った行動をしてしまうというようなことです。
よく言われる例として、「あの子は良い子だ」というレッテルを貼られた子は、より良い行動をする。そして、「あの子は不良だ」というレッテルを貼られた子は、より不良っぽい行動をしてしまう。 結果、プラスのレッテルを貼られた時は『好循環』、マイナスのレッテルの場合は『悪循環』を引き起こします。
下記に例をあげて説明してみます。
例) アルバイトスタッフのAちゃんは、よく注文を間違えたり、お客様に頼まれたことを忘れてしまったり、すごく忙しい時に優先順位の低い作業(皿洗いなど)を始めてしまったりします。
さあ、あなたはAちゃんにどんなレッテルを貼りますか?
おそらく「使えない子」「気が利かない子」 というマイナスな意味でのレッテルを貼ってしまうのではないでしょうか。
しかし、それはスタッフ教育に失敗する『悪循環』への入り口です!
ぜったいにやめて下さい。
上記の場合だと、「使えない子」「気が利かない子」というレッテルを貼られてしまったAちゃんは、より「使えない子」「気が利かない子」になってしまう可能性が高くなってしまうのです。
せっかく働いてくれるスタッフです。できるだけお店に馴染んで欲しいですし、リピーターを増やすことに貢献してくれるようなスタッフに成長してほしいですよね。
その為にもスタッフに『プラスの意味でのレッテル』を貼って、『レッテル効果』を良い方向に利用してみましょう!
具体例に戻って説明すると、先に出てきたAちゃんには「天然」「面白い子(個性的な子)」というレッテルを貼ります。
そして、Aちゃんがオーダーミスをしたら「さすが天然」、皿洗いを始めたら「今それをやるんだ…相変わらず面白いな」と思うようにする、あるいは口にするようにします。
初めのうちは「う~ん、そういう風に捉えるのは難しいな…」と思われるかもしれません。
確かに、さすがに忙しい時はピリピリするとは思いますが、後になれば笑いの種になることもあります。
実際、私の周りにもAちゃんタイプの子がいましたが、いつの間にか休憩時間にその子を交えて「今日の天然ぶりすごかったね」とみんなで笑いあえるようになり、そしていつの間にか常連さんたちも「今日は何かやらかしてないかい?」なんて冗談を言うようになりました。
『プラスの意味でのレッテル』を貼ったことで、むしろムードメーカーになるということもあるんです。
- 愛想がない → クール
- 声が小さい → 上品
- 動作が遅い → マイペース
同じことでもちょっとプラスに書き換えることで、レッテル効果の『悪循環』を防ぐことができます。
難しいかもしれませんが、リピーターを増やす為にも挑戦してみましょう!
居酒屋リピーターを増やす秘策③ SNSで間接的にスタッフを褒める
居酒屋リピーターを増やす為の秘策の3つ目は『SNSなどを使って間接的にスタッフを褒める』ということです。
最近の居酒屋さんでは、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSやブログなどを更新されているところが非常に多いです。ただ、それをスタッフ教育の手段のひとつとして活用しているところは非常に少ないです。
盲点かもしれませんが、こうしたオンラインのツールは使い方次第でスタッフ教育にも活用することが可能です!
そのひとつが先に述べた『SNSなどを使って間接的にスタッフを褒める』という方法です。
例えば、オーナーや店舗責任者ともなれば、時にスタッフに対して厳しく接しないといけないこともあるかもしれません。或いは、口下手でなかなか上手にスタッフを褒めてあげられないというオーナーさんもいるかもしれません。
そんな時、下記のような写真と文を投稿してみたらどうなるでしょうか。
「今日でうちの店で働き始めて3か月になるBちゃん。覚えることが多くて毎日ヒーヒー言っていたり、醬油を頼まれてソースを持って行くドジをしたりもしますが、いつも何も言わなくてもテーブルや椅子を綺麗に拭いてくれます。そんなBちゃんのお客様へのおもてなしの心は自分も見習いたいです。いつもありがとうBちゃん。明日も18時から頑張って営業します!」
褒められてうれしくない人はいません。
ましてや人づてに(間接的に)褒められたときは、何倍、何十倍もうれしいはずです。
この投稿に気づいたBちゃんは、いつも怒ってばかり(?)のオーナーが実は自分を評価してくれるんだと知って、お店に愛着を持つと思いませんか?
「もっとこのお店のために働きたい!」
「もっとこのお店にくるお客様を喜ばせたい!」
「もっとこのお店を良くしていきたい!」
そういうスタッフのモチベーションも、居酒屋リピーターを増やすためには不可欠です。
SNSやブログなどオンラインのツールも有効に使って、スタッフ教育に取り組んでいきましょう。
なお、余談ですが、上記のようなスタッフに関する投稿は、『集客アップ』にも効果的です。
やはり、お客さん側としても頑張っているスタッフは応援したくなりますし、スタッフさん同士が褒めあえる関係性のお店には好印象を持つので、リピートのきっかけになり得ます。
スタッフ教育にも効果的でリピートのきっかけにもなるって、一石二鳥ですね!
ぜひ、たまには試してみてください。
(※ ただし、スタッフと言っても無許可で顔や名前を投稿することはプライバシー保護の観点上よくありません。個人情報が特定されないような投稿にしましょう。)
【参考・参照】
【SNS集客】店舗・企業のSNS集客担当者必見!SNS活用上手な使い分け方
居酒屋リピーターを増やす為の3つのスタッフ教育法
居酒屋リピーターを増やす為の3つの秘策
- 名札を工夫する →お客さんとのコミュニケーションをとれるスタッフに育成
- レッテルを貼る →レッテル効果でスタッフの成長に好循環を与える
- SNSなどで間接的に褒める →スタッフのモチベーションを上げる
最初にも書きましたが、『居酒屋リピーターを増やす』為に、『スタッフ教育』は最重要課題のひとつです。
忙しい日々の中で、またそのお店ごとの伝統もあると思うので、できることは限られてしまうかもしれませんが、できることからはじめてみましょう。
少しの努力が『居酒屋リピーターを増やす』大きな一歩です。
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