フレーミング効果という言葉をご存知でしょうか。これは心理作用を表す言葉ですが、このフレーミング効果はビジネスにおいても利用することが可能です。

例えば、マーケティングに活かすとより有益な結果を得られる可能性があります。そこで、本記事ではフレーミング効果の概要とともに、フレーミング効果のマーケティングへの活用術などをご紹介します。

フレーミング効果とは?

フレーミング効果とは、心理作用の1つです。枠組みを表す英単語の「フレーム」が語源になっています。物事のどこにスポットを当てるか、つまりどこにフレームを置いて強調するかによって、人々の受け止め方が変わることを指すものです。

例えば、「100人中90人は成功している」と「100人中10人は失敗している」の2つの文章は同じ事柄を説明していますが、成功した人数と失敗した人数のどちらを強調するかで印象は全く変わってきます。成功した人数を強調されればポジティブなイメージを持ちやすく、反対に失敗した人数を強調されれば「10人も失敗しているのか」と不安になるかもしれません。

このように、フレーミング効果を用いることで同じ事柄でも伝え方により印象を変化させることが可能です。

コロナにおけるフレーミング効果

2020年から新型コロナウイルスが爆発的な感染拡大を見せ、世界中で大流行しました。このコロナ禍という状況においても、フレーミング効果が影響する事象がたびたび見られています。

例えば、特定の世代においての重篤化率を示す場合では重篤化率を10%としたとき、

  • 「90%は重篤化しない」
  • 「10%は重篤化する」

の2通りの表し方が考えられます。

重篤化しない90%を強調した表現であれば、ウイルスに対し良く言えば前向きな、悪く言えば楽観的なイメージを持ちやすいでしょう。

10%の重篤化を強調した表現をすれば、ウイルスをより危険視し、対策に力を入れなければと考える人が多くなる可能性がありますが、過度の恐怖感を煽るリスクもあります。

コロナ禍においては国内外問わず、多くの人々がウイルスの動向を注視している状態であるため、情報を発信する際もどこにフレームを置いた表現にするかしっかり考えなければいけないと言えるでしょう。

フレーミング効果はなぜ起こるのか

そもそもなぜフレーミング効果が起こるのでしょうか。それは、人には「受け取れる利益は受け取りたい」「損失は回避したい」という思考の傾向があるからです。

これはプロスペクト理論と呼ばれています。フレーミング効果を証明する有名な実験事例の「アジアの疾病問題」を例に説明しましょう。

特殊な病に関する対策として、「600人中200人が助かる対策」と「1/3の確率で600人が助かり、2/3の確率で全員が助からない対策」のどちらを選ぶかという問いでは、8割近くの回答者が前者の対策を選びました。

しかし、「600人中400人が助からない対策」と「1/3の確率で600人が助かり、2/3の確率で全員が助からない対策」のどちらを選択するかという問いでは、8割の回答者が後者を選んでいます。

この2つの問いにおいて、変わったのは前者の対策の言い回しだけで内容は同じです。それにも関わらず、回答は全く異なる結果に変わりました。

これは「600人中200人が助かる対策」に対しては「助かるはずの200人は助けたい」という思考が、「600人中400人が助からない対策」に対しては「400人が助からない状態は避けたい」という思考が働いたと考えられます。

特定の部分に焦点を当てて強調すれば、それを見た人はその部分に基準を置いて考えやすくなります。つまり、人の判断や思考はその視点によって大きく左右されるということです。

フレーミング効果をマーケティングに応用しよう

フレーミング効果の基本的な内容を解説したところで、ビジネスにおけるフレーミング効果の活用について見ていきましょう。

フレーミング効果はマーケティングのさまざまな場面においても使われています。ここでは、マーケティングシーンでのフレーミング効果の活用術について、代表的なものをご紹介します。

ポジティブな面を強調する

ネガティブな面を強調するより、ポジティブな面を強調する方が顧客が受け取るイメージは良くなります。例えば、特定の商品に関して、95%の消費者が満足して5%の消費者がそうではないと感じていたとします。

「満足していないお客様は5%しかいません」という宣伝をした場合、どのような印象を受けるでしょうか。5%の消費者が満足できなかった理由について調べたくなったり、ネガティブなイメージを持つ可能性があるでしょう。

「95%のお客様が満足しています」という宣伝なら、それだけ多くの消費者が満足しているという点に目が向き、ポジティブな印象を持つ人が多くなります。

おとり効果を利用する

フレーミング効果では複数の選択肢がある場合、より利益の大きいもの、損失の少ないものが選ばれる傾向にあります。これを利用し、おとり効果を使ってマーケティングする方法もあります。

例えば、家電を売る場合です。最新モデルを3,000円、旧モデルを5,000円、最新モデルと付属品のセットを5,000円で販売するとします。この場合、旧モデルはおとりであり、直接売上になることは想定されません。旧モデルよりも条件が良いと考えられる最新モデル、そして旧モデルと同じ価格で購入できるセットが売れると考えられるでしょう。

このように、おとり商品を紛れ込ませることにより、他の商品の売り上げをアップさせることができます。また、敢えて高額の商品を混ぜることによって、それより安価な商品を売れやすくする方法もあります。

例えば、似たような内容の商品で3,000円・5,000円・10,000円の3種類の価格が設定されていたら、良く売れるのは5,000円や3,000円のものでしょう。これは、「同じような商品なら損失(支払う代金)が少ない方が良い」と考えるためです。

表記をわかりやすくキャッチーにする

割引などを行う場合、細かな表記や難しい表現はなかなか消費者に伝わらない可能性があります。表現をわかりやすくキャッチーにすることで、消費者の関心を引くのも1つの方法です。

例えば、アパレルショップでセールを行うとします。「店内商品30~50%割引」と「こちらの商品全て1,000円」では、後者の方が明確でインパクトがあります。

人はより利益が高いものを求める傾向にあるため、お得な点をわかりやすく押し出した方が興味を持ってもらいやすいのです。

損失に対しフォローを提示する

ポジティブな面を強調しても、もしもの損失などネガティブ面を気にかける消費者はいます。そのような消費者に対応するなら、損失を回避するためのフォローを提示するのも良いでしょう。

例えば、「満足できなければ使用済みでも返品可能」という条件を設ける方法もあります。消費者としては、もし満足できなくても自分に損失は発生しないと感じ、安心して消費できるでしょう。「損失を回避しようとする」という心理に注目することで、さらに顧客の獲得が期待できます。

フレーミング効果とは?マーケティングへの活用術まとめ

  • フレーミング効果とは、強調する箇所によって人々の受け止め方が変わる心理作用の1つ
  • 「受け取れる利益は受け取りたい」「損失は回避したい」という思考の傾向がある
  • フレーミング効果のマーケティング応用には、以下のような例がある
  1. ポジティブな面を強調する
  2. おとり効果を利用する
  3. 表記をわかりやすくキャッチーにする
  4. 損失に対しフォローを提示する

いかがでしたか。今回はフレーミング効果のマーケティング活用についてお伝えしました。

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