アプリマーケティングの指標となるDAU・WAU・MAUの違い・使い方

アプリマーケティングにおいて「DAU・WAU・MAU」はとても重要です。「DAU・WAU・MAU」を分析することで、サービスが成功しているのかを把握できます。
しかし、「DAU・WAU・MAU」の計算式や活用の仕方がいまいちわからないという方もいることでしょう。本記事では「DAU・WAU・MAU」の計算式や活用事例を紹介します。
正式名称 | 日本語 | 主な用途 | |
DAU | Daily Active User | 日間アクティブユーザー | 毎日の生活に組みこまれているか |
WAU | Weekly Active User | 週間アクティブユーザー | 曜日の習慣、恒例になっているか |
MAU | Monthly Active User | 月間アクティブユーザー | 長期間にわたって利用されているか |
計算方法
「DAU・WAU・MAU」の計算方法は以下の通りです。
- DAU(日間アクティブユーザー数)/(サービス登録者数)
- WAU(週間アクティブユーザー数)/(サービス登録者数)
- MAU(月間アクティブユーザー数)/(サービス登録者数)
たとえば、サービス登録者数が100万人で、日間アクティブユーザーが20万人であった場合DAUは20%です。
それぞれの用途
「DAU・WAU・MAU」はそれぞれ用途が異なります。それぞれ活用できるアプリのジャンルや活用方法を紹介します。
DAUについて
DAUは毎日利用してもらうことが目的のアプリやWebサービスに活用できます。
たとえば、SNSやニュース、ソーシャルゲームなどのアプリです。DAUを分析することで利用者が今のコンテンツに飽きているか、いつの段階でユーザーが減ってしまったのかを把握できます。
また、どのような要因で利用しはじめたのか、利用を再開したのかの把握も可能です。ソーシャルゲームならば、毎日ログインするだけでアイテムがもらえるログインボーナスで、DAUが増えるという事例もあります。
WAUについて
WAUは週に一回決まった曜日に利用されるアプリやWebサービス、週に数回利用されるアプリに活用できます。短い期間で繰り返し改善を行うことが可能です。
また、WAUを分析することで平日と休日のアクティブユーザー数を把握できます。ユーザーが利用を習慣化している曜日も把握が可能です。これらの情報からよりよいサービスにするための対策を立てることが可能です。
WAUを積極的に活用している事例として動画配信サービス「AbemaTV」があります。AbemaTVはユーザーが週末や決まった時間に番組を観ることにおいて習慣化するようなサービスを目標にしています。
MAUについて
MAUは長期的に利用されるアプリやWebサービスに活用できます。長期的に利用してもらうためには、定期的にリピートされるようなものでなければいけません。
MAUを分析することで新規ユーザーを取り込めているのかだけでなく、リピートしてくれているのかを把握が可能です。
ひと月ごとではなく数か月間のMAUを見比べることで、中長期的な成長具合を把握できます。MAUは定期的に期間限定のキャンペーンやリピートしてもらえるような宣伝をすることで増やすことができます。
数値の目安
日常的に利用されるアプリとそうでないアプリでは参考とする指標が異なってきます。そのため数値の明確な目安はありませんが、アプリ分析プラットフォーム「App Ape(アップ・エイプ)」カテゴリー別MAU上位アプリの平均MAU率まとめ ベンチマークとなる数値は?による調査結果を参考にしてみると良いでしょう。
DAU・WAU・MAUをどのように用いるか
「DAU・WAU・MAU」はどのように活用されているのかを事例とともに紹介します。
事例①「Slack」ビジネスアプリ・システム
ビジネスチャットツールである「Slack」ではDAUを重要な指標と考えています。チャットツールは毎日利用するものです。そのため、「Slack」は使いやすさを向上させることに力を入れています。ユーザーが使いやすいと感じていれば、DAUを増やすことが可能です。
DAUが減少していた場合は、改善しなければいけない点が存在します。DAUを分析することで改善の余地があるのかを把握できます。また、改善した後もDAUを分析することで、改善がユーザーにとってよいものだったのかを見ることができるでしょう。
https://slack.com/intl/ja-jp/blog/news/intl-ja-jp-work-is-fueled-by-true-engagement
事例②「LINEマンガ」動画配信アプリ
「LINEマンガ」は毎日マンガをプレゼントする抽選を行ったことでDAUを増やしています。マンガアプリを毎日利用するのかは人によって異なります。しかし、キャンペーンを行うことで、毎日利用することにメリットを与えました。
どのようなキャンペーンをすればアクティブユーザーが増えるのか、DAUを分析して試行錯誤した結果たどり着いた方法です。また、ユーザーにはキャンペーンのハッシュタグでツイートすることを促すことで、新規ユーザーの獲得も行っています。一見、WAUやMAUを重視するべきだと感じるサービスも、DAUを重視してみてもよいでしょう。
https://marketing.twitter.com/ja/success-stories/line-manga
事例③終了した「MERY」キュレーションメディアアプリ
女性向けに展開されていたメディアアプリ「MERY」は、通学や通勤、帰宅中に起動することを習慣づけてMAUを増やしました。手軽に見れたため、通学や通勤中などの移動時間に利用するユーザーがほとんどでした。
その証拠に利用ピーク時間が8~9時と19~21時です。習慣づけるためにはターゲットを明確にし、興味の引くような記事を提供する必要があります。また、すぐに起動しようと思わせる手軽さも必要です。
現在「MERY」は終了しており、ファッションやメイクにだけでなく生き方や価値観の重きを置いたコミュニティーメディアを展開しています。
https://lab.appa.pe/2016-01/media-for-women.html
事例④「GU」店舗アプリ
「GU」店舗アプリはDAUを分析することで、季節の変わり目に利用者が増えることを確認できました。利用者が増える時期にクーポンやトレンドの情報を提供することで、GUの売上にもつながります。季節の変わり目でなくてもクーポンを提供しているため、DAUを維持しています。
また、クーポンはダウンロードするだけで利用できるため、登録ユーザーを増やすことができました。クーポンのために登録ユーザーもSNSのような機能、再度クーポン使用のために起動します。そのため、新規ユーザーを獲得しつつDAUを維持できています。
https://lab.appa.pe/2017-04/gu-app.html
まとめ
「DAU・WAU・MAU」のどう活用するべきなのかは、サービスによって異なります。これらを分析することでサービスが衰退しているのか、いつから衰退し始めたのかを把握できます。
衰退した要因を改善してアクティブユーザーを増やすということが主な活用方法です。「DAU・WAU・MAU」がどのようにすれば増えるのかを試行錯誤することが重要です。